今回は2017年ドラマ化にもなった、池井戸潤さん作「アキラとあきら」を紹介します。
物語の主人公はふたり。まずはそれぞれの幼少時代からはじまり、やがてふたりがどちらも銀行員として、さまざま葛藤をかかえながら成長していきます。
銀行員になってからのエピソードはもちろん、正反対ともいえる2人の幼少時代も読みごたえがあり面白いです。(実はふたりは幼少期に、意外な場面で出会っています)
では、引用もふくめて紹介します。
アキラとあきら
池井戸潤 (著)
Contents
本の概要
工場の息子・山崎瑛(あきら)と御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりが銀行員として出会い、それぞれの境遇を乗り越えながら戦っていく物語。
キーワード
銀行員 同志 静岡
引用(ネタバレあり)
印象に残った部分を3つ紹介します。

工場の息子・山崎瑛(あきら)の高校時代
“もうダメだ――そう思った。工藤の銀行がお金を貸してくれたところで、父が職を失うことになるのは間違いない。
山崎家の家計がますます苦しくなる一方だ。とても進学云々などといってい居られる状況ではない。
――じゃあ、何に興味があるんです?
担任の村橋とのやりとりが唐突に脳裏に蘇ってきた。
なんだっていい。
瑛は思った。この家を助け、父を、母を楽にできるのなら、どんな仕事だっていい。
「生活のために働いて何が悪い」
瑛はつぶやいた。「いまのオレにそれ以外の何がある?」”
(P.225)

御曹司・階堂彬(かいどうあきら)の高校時代
“彬を見る祖父の目は、少し潤んでいるように見えた。
「おじいちゃんが死んでも、お前の中におじいちゃんはいるんだよ。お前がなにかをしようとするとき、なにかを考え、何かを感じるとき、おじいちゃんも実は一緒にいるんだ。言葉とか、目に見えるものではない、もっと心の奥深いところで。いつも一緒だ」
そのときの彬は、祖父のいう、「お前の中にいる」という言葉の意味がわからなかった。自分の中のどこを探しても祖父はいない。
そして高校二年生になったいまもそれは変わらない。祖父のいったことは頭では理解できても、死という現実の前にそんな抽象的な考え方は無意味だ。”
(P.147)

銀行に同期入行したふたり
“「やあ、階堂」
中のひとりの顔を見た途端、彬が口を開くまえに向こうから声をかけてきた。こいつか。内心の驚きはすぐに納得に変わり、さらに警戒に転じた。”
こいつなら、ファイナルに残って、当然だ。
「よう、山崎」”
(P.293)
ひとこと
わたしはドラマ版も観ましたが、向井理さんと斎藤工さんのW主演のほかに、賀来賢人さんや瀧本美織さんも出演されていてすばらしかったです。
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